2008年もあますところあとわずか。サブプライム(低所得者向け高金利型)ローンから始まった米国発の金融・経済危機はとどまるところを知らず、イラク戦争、アフガン情勢ともニュースにならなくなっただけで、その不透明さには変わりはない。8年間続いたブッシュ米政権も09年1月、「最悪」という評価だけを残して終わりを告げる。

 米CNNテレビは26日、ブッシュ大統領の退任を「喜ばしい」とする回答が75%に上ったとする世論調査結果を公表。それによると、この数字は、同様の質問で51%だったクリントン前大統領の退任(01年1月)時よりも24ポイント高く、長引くイラク派兵や深刻な経済危機など、ブッシュ大統領の施策に、米国民は結果として「ノーサンキュー」という判断を下したわけだ。

 調査によると、ブッシュ大統領が「史上最悪の大統領だった」と答えた人は28%で、お粗末との回答も40%に上った。良い大統領と評価したのは31%。支持率は27%で、過去最低水準。大統領退任後も公の場で活動してほしいという答えは33%にとどまり、クリントン前大統領より22ポイント低かった。調査は、19―21日、米国民の成人1013人を対象に電話で行われた。

 無愛想な顔も災いして、法廷闘争も駆使して民主党の大統領候補だったゴア氏を蹴落として01年大統領に就任したブッシュ氏は、そもそもの発端から「凡庸」な大統領と言われた。それが米国民や世界の注目を俄然引いたのは、01年9月の米同時多発テロ直後、現場のニューヨーク世界貿易センタービルのがれきの中で、救出作業に当たる人々を前に"I can hear you"と声を枯らした時である、何かをやってくれるのではないかと人々は期待したからだ。

 国際テロ組織アルカイダとの関連性を錦の御旗に、アフガンを報復空爆してタリバン政権を瓦解させ、さらにはイラク戦争を開始して、フセイン政権を打倒した。ここまでは良かった。圧倒的な強さを見せて04年の米大統領選で再選された。湾岸戦争に勝利しながら1期で終わらざるを得なかった父親ブッシュ元大統領とは大違いである。が、「それ行けドンドン」の掛け声ばかりで、幕引きの頃合いを、ブッシュ大統領、それを取り巻いたネオコンは見いだすことができなかった。

 オバマ次期政権は、この幕引きを見いだすことができるのか?現時点では、できるであろうと期待するほかはない。

 国務長官となるクリントン上院議員は、オバマ次期米大統領の「部下」として本当に働けるのだろうか。オバマ次期大統領に必要な国務長官は、大統領の政策を忠実に実行する部下であり、国際経験豊富な教師ではないからだ。両者とも「テロとの戦い」は完遂すると公言しているが、オバマ次期大統領はイラク戦争開戦に反対し、クリントン氏は賛成した。クリントン氏は、この判断は当時のワシントン政界の誰よりも正しかったと確信しているとされる。

 己の賛成票に断固とした確信を持つクリントン氏と、今大統領選民主党候補指名争いで同氏のこの判断を間違いと攻撃して民主党大統領候補となり、そして結果的に大統領に当選したオバマ氏。クリントン氏はオバマ氏を「未熟」と攻撃したが、その「未熟者」の下で部下として働いていくわけだ。両者とも、その間に溝があることをいわば承知の上での手打ちだが、手打ちしたからといって溝を埋める考えがあることを確認し合ったわけではない。

 オバマ次期大統領が、ベトナム戦争下のニクソン大統領がキッシンジャー大統領補佐官を軸に外交戦を展開し当時のロジャーズ国務長官を完全に「蚊帳の外」に置いた例にならうのではないかと前回指摘した。オバマ次期政権の外交通としては、院外交委員長だったバイデン次期副大統領、留任するゲーツ国防長官がいる。国家安全保障担当大統領補佐官にジョーンズ海兵隊大将だ。これにクリントン国務長官が加わって、オバマ外交が展開されることにる。部外者から見れば、どうしても「集団指導体制による外交」と言わざるを得ない。これにクリントン氏は満足できるのか?

 まあ、満足できるもなにも、「部下」が「上司」の指示働くのは世の常だ。オバマ次期政権でも全く同じ。働くのが嫌ならやめてもらうしかない。国務長官は大統領、副大統領に次ぎ政権内ナンバー3だが、大統領の命令で働く立場だ。クリントン国務長官の時代が長く続くとはどうしても思われないのである。

 オバマ次期米政権の骨格が12月1日公表され、クリントン国務長官、留任するゲーツ国防長官が外交・安保チームの要となることが全世界に示された。大統領選民主党候補指名争いで血みどろの闘いを演じたオバマ、クリントンで、米外交の舵取りがうまくいくのか。直近では、父親ブッシュ大統領とベーカー国務長官が「うまくいった」例。反対に「うまく動かなかった」例は、息子のブッシュ大統領とパウエル国務長官の例が挙げられよう。

 パウエル氏は統合参謀本部議長として父親ブッシュ大統領を支え、ベーカー国務長官とともに1991年の湾岸戦争を成功裏に終結させたが、チェイニーやラムズフェルドらのネオコン系側近を重用した息子のブッシュ現大統領とはそりが合わず、失意のうちに国務省を去らざるを得なくなった。パウエル氏は今大統領選で、共和党でありながらうらみを晴らすかのようにマケイン共和党大統領候補ではなくオバマ氏を支持、民主党のホワイトハウス奪取を助けたのである。

 「うまく動かなかった」例で一番顕著だったのは、第2次世界大戦後ではベトナム戦争下のニクソン大統領とロジャーズ国務長官。ロジャーズ氏は1969年から1973年まで国務長官を務めたが、ニクソン大統領はキッシンジャー国家安全保障問題担当補佐官を重用、名高い「キッシンジャー秘密外交」を駆使してロジャーズ氏を完全に「蚊帳の外」に置いてしまった。ちなみに、このロジャーズ氏とパウエル氏が、外遊の最も少なかった米国務長官の両雄である。

 大統領選民主党候補指名争いでは、オバマ、クリントン両氏とも互いの外交政策を批判した。イラク戦争に反対してきたオバマ氏は、2002年のイラク開戦決議に賛成したヒラリー氏の判断に疑問を投げかけ、対するヒラリー氏は「午前3時、電話に誰が出てほしいか」という選挙広告を流すなど、オバマ氏では有事対応に不安があると印象付けようとした。ヒラリー氏は、オバマ氏がイランや北朝鮮の指導者と前提条件なしに会談する用意があると述べた点をとらえ「無責任で無知だ」と罵倒。

 イラク、アフガンでの「テロとの戦い」が続く戦時下での政権交代。折しもインドのムンバイでは国際テロ組織アルカイダ系によるものとみられる同時多発テロが発生している。大統領と国務長官が争えば、去らざるを得ないのは国務長官である。こういったことを勘案すると、クリントン氏を米外交の顔として祭り上げる一方で、子飼いの側近を補佐官に据えて実質外交に当たらせるニクソン―キッシンジャー方式を取るのか?

 アラブ・イスラエル全面戦争の最後となった第4次中東戦争から35年。当時のアラブ、イスラエルの国家指導者で今も存命中なのは、リビアの最高指導者カダフィ大佐のみ。この間の画期的な出来事は、4次にわたる全面戦争の中核となったエジプトがイスラエルと平和条約を締結、2度と全面戦争が起こらなくなった点。次が、ヨルダン川西岸とガザ地区にパレスチナ暫定自治が敷かれ、パレスチナ自治政府が誕生したこと。全世界的な観点で見れば、ソ連邦が崩壊し米ソ冷戦構造が崩れ去ったことが背景にある。

 さらに東に視点を移せば、1973年の第4次中東戦争から6年後の79年、イランでイスラム革命が勃発しパーレビ王政が崩壊。その年の12月、ソ連軍がアフガンに軍事侵攻し、今の南西アジアをめぐる混乱の原因をつくり上げた。イスラム革命の湾岸波及を恐れた欧米は、革命イランとするどく対峙(たいじ)していたイラクを支援し、アフガンではその後のタリバンの基礎となるイスラム反政府勢力を後押し。そして湾岸のクウェート侵攻したのは、イランではなく欧米の支援したフセイン・イラク政権だった。

 アフガンに派兵した旧ソ連は、10年にわたり駐留を続けたが治安回復・統治に失敗し1989年に兵を完全に引き上げ、その2年後の91年12月、音をたてて崩れ去る。アフガンはその後も混乱が続き、イスラムを名乗る軍閥が割拠、その中で、パキスタンの支援を受けたイスラム原理主義勢力タリバンが政権を握る。ソ連邦崩壊の直前、クウェートを占領し得意の絶頂にあったフセイン・イラク政権に対し、欧米は派兵で応じて湾岸危機・戦争が起こり、今も続くイラク戦争を形づくった。

 そして発生したのが、21世紀前半の紛争の有り様を象徴する2001年9月11日の米同時多発テロ。アラブ・イスラエル紛争、パレスチナ問題の陰に隠れてその全容がつかみ難かったイスラム原理主義の狂信的な有り様が、初めて全世界に示された。ブッシュ米政権は、報復として同テロの元凶、国際テロ組織アルカイダ指導者ビンラディンをかくまっているアフガンを空爆、政権の座にあったタリバンを放逐して、現在のカルザイ政権を誕生させたが、アフガンは依然として破綻国家のままだ。ビンラディン逮捕・殺害もまだ。

 パレスチナに目を転ずれば、2007年6月、自治政府の挙国一致内閣で政権の一翼を担っていたイスラム原理主義組織ハマスが、ガザ地区を武装占領し挙国一致内閣は崩壊、ガザのハマスとヨルダン川西岸を実効支配するパレスチナ解放機構(PLO)主流派ファタハの2派併存となった。ファタハの主導するアッバス議長以下の自治政府を、世界は正統政権とみなしているが先行きはそれこそ不透明だ。ここでも見え隠れするのはイスラム原理主義の影である。

 そして2009年1月、共和党のブッシュ政権に代わり民主党のオバマ政権が米国で誕生する。第4次中東戦争は、ベトナム戦争のさなかにあったニクソン共和党政権。イラン革命は、民主党のカーター政権下で起こった。カーター政権に代わり誕生したレーガン共和党政権は、当時のイラクのフセイン政権を無条件で支援し、アフガンのイスラム反政府勢力に対しては、スティンガーミサイルすら供与した。レーガン政権に代わるブッシュ(父親)政権は、湾岸危機・戦争でこれを軌道修正したが、一期で倒れた。

 続くクリントン政権は、下半身問題を抱えながらも史上最高の好景気に支えられ2期をまっとうしたが、アルカイダ台頭の予兆を察知しながらも優柔不断の対応を取り続け、結果的に米同時多発テロを招いてしまう。ブッシュ(息子)政権は、いわばその尻ぬぐいとしてイラク戦争に踏み切ったが、4000人以上の米兵戦死を抱え込み、国民の間でつくづく飽きられてオバマ民主党政権に座を譲ることになってしまった。

 オバマ次期政権は、「テロとの戦い」は完遂するとしているが、対話にも道をあけるという。強硬派こそ譲歩できるという政治の鉄則から見ると果たしてどうなのだろうか?

 11月4日の米大統領選で、民主党大統領候補のバラク・オバマ上院議員(47)がジョン・マケイン共和党大統領候補を下して歴史私的な勝利。米史上初の黒人大統領誕生を決めた。オバマ次期米大統領は6日、2009年1月20日に発足する新政権の首席補佐官にユダヤ系のラム・エマニュエル民主党下院議員(48)を指名したと正式発表。同次期大統領は声明で「懸案を解決する能力で彼の右に出る者はいない」として、人事や政策立案、議会との折衝を担う政権の要として適任だとした。

 エマニュエル氏は、オバマ次期大統領と同じイリノイ州選出で、下院当選4回。クリントン前大統領の上級顧問を務め、ホワイトハウスの実務を熟知していることや、投資銀行勤務の経験から経済にも明るいことが首席補佐官起用の決め手となった。それとともに、就任式までの政権づくりの透明性を維持するとして、政権移行PRサイト、発足させた。同サイトの主要議題は、1)経済の再活性化2)イラク戦争の終結3)全国民への福利厚生の付与4)米国を守る5)米国の世界的な指導力の再始動―となっている。

 オバマ次期大統領の最大の課題は、レーガン政権からブッシュ現政権まで連綿と続いた「減税と財政支出の削減、規制緩和によって経済成長を促すというレーガノミクスの流れ」をどう変えて、1920年代の世界大恐慌以来という世界的な金融危機を克服していくかだ。少なくとも米国発の世界不況は是が非でも阻止したいところだろう。自国の問題を解決できない国家が、世界のリーダーとして信頼を得ることなど不可能だからである。これまでのようなムードでは、実利を追うことなどできはしない。

 かつて、ニューディール政策を掲げ当選した民主党のルーズベルト大統領は、大型公共投資など政府の積極介入によって、世界大恐慌の泥沼に沈んでいた米国を回復させた。オバマ次期大統領の選挙綱領にも、1500億ドルの代替エネルギー開発投資や、600億ドルのインフラ投資による雇用創出などニューディールを意識した公約が並ぶ。

 オバマ次期大統領は公共投資以外にも、中・低所得者向け減税や国民皆保険の実現など弱者に手厚い政策を掲げ、ウォール街の金融規制の強化も主張している。その狙いは、ルーズベルト政権を源流に戦後主流となった「大きな政府」の復活を目指していると言ってよいだろう。この観点からすれば、オバマ次期政権は、マケイン陣営が喝破したごとく、文字通り「社会主義的」である。そして、米国民は、これを「変革」というスローガンの下に受け入れたわけだ。

 08年度の米財政赤字は、イラク戦費やブッシュ現政権の景気対策により、4548億ドルと過去最大。今後、金融機関への公的資金注入に加え、自動車産業の救済や、追加景気対策で大盤振る舞いを続ければ、財政赤字は膨張せざるを得ない。そしてこれは、世界の基軸通貨ドルへの不信を招き、長期金利が急伸し米国から資金が逃げ出す悪循環に陥る公算もなきにしもあらず。

 今大統領選に関する米CNNの出口調査では、有権者の62%が「経済」を最大争点と答え、「イラク戦争」は10%にとどまった。事前の世論調査で示されたオバマ氏の経済運営への高い信頼度が、投票行動に反映された格好だ。オバマ、マケイン両氏の支持率が各世論調査で拮抗し、マケイン氏がリードした調査もあった選挙戦終盤の9月中旬に、米証券大手リーマン・ブラザーズが破綻。金融危機の深刻化はマケイン陣営には大きな誤算で、初の黒人大統領誕生の原動力となった点は否めない。

 経済によってホワイトハウス入りし、その経済によってホワイトハウスの主の座を追われるかもしてない―オバマ次期大統領は、実に重い課題を担っているのである。

WASHINGTON - Barack Obama was elected the nation's first black president Tuesday night in a historic triumph that overcame racial barriers as old as America itself.

The 47-year-old Democratic senator from Illinois sealed his victory by defeating Republican Sen. John McCain in a string of wins in hardfought battleground states - Ohio, Florida, Virginia and Iowa.

A huge crowd thronged Grant Park in Chicago to cheer his improbable triumph and await his first public speech as president-elect

 8年間続くブッシュ共和党政権後の米国の招来を占う大統領選が4日投開票され、民主党のバラク・オバマ大統領候補が圧倒的多数で歴史的な勝利を決めた。47歳になる上院議員のオバマ氏の当選で、米史上初の黒人大統領の誕生となる。

 この11月4日に実施される米大統領選の登場人物が公式に決定された。事実上の人類史上最大・最強国家の指導者に名乗りを上げ、厳しい指名獲得競争を戦い抜いた民主党のオバマ上院議員、共和党のマケイン上院議委員の2人がそれである。オバマ議員は副大統領候補にベテラン同党政治家のバイデン上院議員(上院外交委員長)を選定。マケイン議員は、副大統領候補に女性のペイリン・アラスカ州知事を据えて起死回生の大ばくち。

 44歳になる美貌の女性州知事の起用は、目を見張るほどだ。共和党大会最終日の4日、マケイン議員の指名受諾演説をテレビの3大ネットなどで視聴した人は全米で3890万人に達し、民主党候補のオバマ上院議員の3840万人の受諾演説の視聴者数を上回った。党大会の演説としては過去最高の視聴者数。米視聴率調査会社ニールセンの調査結果。

 ニールセンによると、8月28日に行われたオバマ議員の指名受諾演説の視聴者数は、北京五輪開会式の視聴者数3420万人を上回り、4年前の民主党候補、ケリー上院議員の指名受諾演説の時の6割増。が、この9月3日に行われた共和党のペイリン知事の副大統領候補受諾演説の視聴者数は3720万人とオバマ氏に迫る勢いで、民主党副大統領候補のバイデン上院議員の2700万人に圧勝。

 中央政界では無名ながら、共和党初の女性副大統領候補となったペイリン知事に対する関心の高さはものすごく、インターネットでも最近の1週間でペイリン氏に関する検索が激増。米ネット調査会社ヒットワイズによると、ペイリン氏の検索数はオバマ氏の4倍、マケイン氏の8倍、バイデン氏の10倍に上っているという。恐るべき「ペイリン効果」と言う以外ない。

 肝心の指名受諾演説だが、オバマ議員は8月28日、同党全国大会の締めくくりとして指名受諾演説の中で、国民ひとりひとりが夢を追求しつつ、互いを尊重するという「米国の約束」をテーマに、「後戻りはできない。未来に向かって行進しよう」と、変革を訴えた。 オバマ氏は、会場のフットボール競技場を埋めた数万人の支持者らを前に演説。ブッシュ共和党政権の経済、安全保障政策を「失政」と批判し、「8年間でもう十分。今こそ、われわれが米国を変える時だ」と呼び掛け。

 他方、マケイン議員は、国家への奉仕を強調。「私たちの次期副大統領候補(ペイリン知事)を紹介できて大変光栄だ」と「ペイリン効果」への期待を吐露、「自分の利益を国に優先させるワシントンの連中に先に警告しておく。変化は来ている」と語り、国民に飽きられたブッシュ政治の抜本改革を訴え。

 その上でマケイン議員は、イラクへの米軍増派など自身の政治信条と国の利益を最優先させて、超党派で問題解決にあたった経験を強調、「それが、私が大統領として統治するやり方だ。私にはその実績があるが、オバマ氏にはない」と批判、「国家第一」の姿勢で大統領職を務めることを約束した。マケイン節は意気軒昂といったところ。

 オバマ、マケイン両氏とも全国を遊説し、3回のテレビ討論を経て11月4日の本選挙に臨む。

WASHINGTON - Sen. Joe Biden of Delaware is Barack Obama's pick as vice presidential running mate, The Associated Press has learned.

Biden, 65, is a veteran of more than three decades in the Senate, and one of his party's leading experts on foreign policy, an area in which polls indicate Obama needs help in his race against Republican rival John McCain.

 AP通信が23日報じたところによると、25日から米コロラド州デンバーで党大会を開く民主党の大統領候補に確定しているオバマ上院議員(47)はこのほど、同党のバイデン上院外交委員長(65)を副大統領候補に選定した。バイデン委員長は30年以上にわたり上院で活躍している同党ベテラン議員で、オバマ議員の18歳年長。

 バイデン委員長は、民主党の外交政策専門家として知られ、外交面で劣勢が指摘されているオバマ議員の対外政策面でのブレーンとなる見込みだ。

 「米国は間違った軌道にはまり込んでいる」―。米CNNが2008年7月28日から3日間にかけて行った世論調査によると、回答を寄せた米国民の76%がこのように考えているという。「正しい軌道上を走っている」と回答した者は24%にすぎなかった。この11月に迫った米大統領選の本選では、有権者は、「間違った軌道」を走っている米国を救い出す、少なくとも救い出すだろうと思われる候補を選ぶことになる。

 各種調査を総合すると、現段階では、民主党のオバマ上院議員が、共和党のマケイン上院議員に対し、圧倒的に有利に立っている。CNNによれば、戦後の米国史上、「間違った軌道を走っている」という回答が70%を超えた例は3回しかない。1974年のウォーターゲート事件の時、79年の在テヘラン米大使館占拠・人質事件の時、92年の経済危機の時がそれだ。

 ウォーターゲート事件では、共和党のニクソン大統領が前代未聞の辞任、後任のフォード大統領は、民主党のカーター氏に選挙で敗退した、米大使館占拠・人質事件の際は、カーター大統領が落選し、共和党のレーガン大統領が誕生した。92年の経済危機では、湾岸戦争に勝利しながらブッシュ(父親)大統領が処理を誤って落選、民主党のクリントン大統領誕生となった。

 要するに「間違った軌道上を走っている」という回答が70%を超えた時、米国民は、政権の交代を必ず望み、共和党から民主党へ、もしくは民主党から共和党へという選択を行っているわけだ。間違った道を走っているなら、それを正してくれる大統領候補を選ぶ、正してくれるだろうという期待を抱かせる候補に投票するという至極真っ当な論理がここには働いている。

 米国の連邦予算は、クリントン前大統領の時は好景気が続き、98年から4年間連続して黒字だった。ところが、息子のブッシュ大統領がホワイトハウスの主となってからはこれが逆転。大型赤字の連続で、連邦予算の累積赤字は史上最高の9兆5000億ドルにまで膨れ上がった。07年8月から始まったサブプライム・ローンの破綻拡大と原油価格の急騰が、最終的にブッシュ政治にとどめを刺した。ネオコン型政治は、銭の問題の処理をついに果たすことができなかったのである。

 イラク戦争の評価は定まっていない。「テロとの戦い」に関する立場が違えば評価が変わってくるからである。が、07年夏に1バレル当たり70ドル前後だった原油価格が、2倍以上の140ドル超となると、、一般の米国民が「イラク戦争は間違った軌道上で行われている戦争であり、これが今の原油価格高騰を招いて家計を直撃している」と考えるに至るのは当然である。しかも、ブッシュ政権は高騰を抑える有効な手段を持ち合わせていないときた。

 マケイン議員は、今後の選挙戦を、ブッシュ政権と距離を置いて、さらには否定する形で戦わなければ、少なくとも経済の局面では、同じ未知数とはいえ、オバマ議員に「期待感」という側面で勝ち目はない。ブッシュ大統領にはあと半年しか残されていない。このままでは無為無策のまま経済を失速させた大統領という歴史的評価を甘受せざるを得まい。フーバー大統領が経済大恐慌に翻弄されて政権を去った70年前のように。

 忙中閑あり、米大統領選。が、その中で、勢いに乗るオバマ上院議員。民主党大統領候補に確定しているこの黒人政治家の外交政策が、少しずつ体を成してきたようだ。同議員は15日、ワシントンで外交・国家安全保障の重要政策で演説。イラク戦争を「責任アル形」で可能な限り早急に終結させ、国際テロ組織アルカイダ、アフガン反政府武装勢力タリバンとの戦争を「絶対に勝たなければならない戦争」と規定した。「オバマ政権」が誕生したあかつきには、米国が先陣を取って進める「テロとの戦い」は、より純化された形で継続されることを公言したわけだ。

 オバマ議員は、「切りがないイラクへの固執は正しい戦略ではない」とブッシュ政権を批判し、戦略の転換が必要だと強調。自分がホワイトハウス入りした場合に追求すべき5つの目標として、1)責任ある形でのイラク戦争終2)アルカイダやタリバンとの戦いの完遂3)テロリストやならず者国家からの核兵器や核物質の防護4)エネルギー安全保障の確立5)21世紀型の同盟再構築-を挙げた。イラン核に関しては、イラク指導部と対話を行う考えは既に示しているが、これが「オバマ政権」の軟化路線ではないことを示した。

 イラク戦争の「責任ある形での終結」に可能性を与えたのは、ほかならぬブッシュ共和党政権である。この21日、中東・欧州歴訪の一環としてイラクの首都バグダッドを訪問したオバマ議員は、これまでの米軍増派反対というかたくなな姿勢を変え、米軍増派がイラクの治安回復に大きく寄与したことを認めた。泥沼の内戦状態下にあるイラクからともかくも足を洗うという従来の主張から、イラク国内の治安はイラクの国軍にゆだねるという具合に微妙にシフトしたのである。要するに、これまで全否定しきたブッシュ政権のイラク政策を評価したわけだ。

 オバマ議員は25日、パリのエリゼ宮(大統領官邸)でサルコジ仏大統領と会談。サルコジ側はオバマ議員を現職の米大統領並に厚遇した。会談後には共同記者会見の場まで設定した。サルコジ大統領は「オバマ氏が当選すればフランスは喜ぶだろう」と事実上のオバマ支持を表明。オバマ議員は、フランスが介入に強く反対したイラク戦争には触れずに、イラン核問題やアフガン増派などで米仏両国が連携を強化していくことを確認、「イランはサルコジ大統領と欧州連合(EU)が示す提案を受け入れるべきだ。(米国の)新大統領誕生を待つべきではない」とイラン側の迅速な対応を促した。

 オバマ議員のこのような微妙なシフトは、共和党の大統領候補に確定しているマケイン上院議員も再三にわたり指摘しているが、オバマ議員の勢いをそぐまでには至っていない。この24日に行われた訪問先のドイツ・ベルリンの「戦勝記念塔」前におけるオバマ議員の演説には、何と20万人のドイツ国民が集まった。このオバマ演説について、ドイツ公共放送ドイチェ・ウェレは「オバマ氏は異例にも、大統領選を米国の外へもち出し、世界にアピールできる指導者であることを人々に印象付けた」と好意的に評価。

 次期米大統領としてのイメージに関しては、オバマ議員がマケイン議員を圧倒している。



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