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 11月4日の米大統領選で、民主党大統領候補のバラク・オバマ上院議員(47)がジョン・マケイン共和党大統領候補を下して歴史私的な勝利。米史上初の黒人大統領誕生を決めた。オバマ次期米大統領は6日、2009年1月20日に発足する新政権の首席補佐官にユダヤ系のラム・エマニュエル民主党下院議員(48)を指名したと正式発表。同次期大統領は声明で「懸案を解決する能力で彼の右に出る者はいない」として、人事や政策立案、議会との折衝を担う政権の要として適任だとした。

 エマニュエル氏は、オバマ次期大統領と同じイリノイ州選出で、下院当選4回。クリントン前大統領の上級顧問を務め、ホワイトハウスの実務を熟知していることや、投資銀行勤務の経験から経済にも明るいことが首席補佐官起用の決め手となった。それとともに、就任式までの政権づくりの透明性を維持するとして、政権移行PRサイト、発足させた。同サイトの主要議題は、1)経済の再活性化2)イラク戦争の終結3)全国民への福利厚生の付与4)米国を守る5)米国の世界的な指導力の再始動―となっている。

 オバマ次期大統領の最大の課題は、レーガン政権からブッシュ現政権まで連綿と続いた「減税と財政支出の削減、規制緩和によって経済成長を促すというレーガノミクスの流れ」をどう変えて、1920年代の世界大恐慌以来という世界的な金融危機を克服していくかだ。少なくとも米国発の世界不況は是が非でも阻止したいところだろう。自国の問題を解決できない国家が、世界のリーダーとして信頼を得ることなど不可能だからである。これまでのようなムードでは、実利を追うことなどできはしない。

 かつて、ニューディール政策を掲げ当選した民主党のルーズベルト大統領は、大型公共投資など政府の積極介入によって、世界大恐慌の泥沼に沈んでいた米国を回復させた。オバマ次期大統領の選挙綱領にも、1500億ドルの代替エネルギー開発投資や、600億ドルのインフラ投資による雇用創出などニューディールを意識した公約が並ぶ。

 オバマ次期大統領は公共投資以外にも、中・低所得者向け減税や国民皆保険の実現など弱者に手厚い政策を掲げ、ウォール街の金融規制の強化も主張している。その狙いは、ルーズベルト政権を源流に戦後主流となった「大きな政府」の復活を目指していると言ってよいだろう。この観点からすれば、オバマ次期政権は、マケイン陣営が喝破したごとく、文字通り「社会主義的」である。そして、米国民は、これを「変革」というスローガンの下に受け入れたわけだ。

 08年度の米財政赤字は、イラク戦費やブッシュ現政権の景気対策により、4548億ドルと過去最大。今後、金融機関への公的資金注入に加え、自動車産業の救済や、追加景気対策で大盤振る舞いを続ければ、財政赤字は膨張せざるを得ない。そしてこれは、世界の基軸通貨ドルへの不信を招き、長期金利が急伸し米国から資金が逃げ出す悪循環に陥る公算もなきにしもあらず。

 今大統領選に関する米CNNの出口調査では、有権者の62%が「経済」を最大争点と答え、「イラク戦争」は10%にとどまった。事前の世論調査で示されたオバマ氏の経済運営への高い信頼度が、投票行動に反映された格好だ。オバマ、マケイン両氏の支持率が各世論調査で拮抗し、マケイン氏がリードした調査もあった選挙戦終盤の9月中旬に、米証券大手リーマン・ブラザーズが破綻。金融危機の深刻化はマケイン陣営には大きな誤算で、初の黒人大統領誕生の原動力となった点は否めない。

 経済によってホワイトハウス入りし、その経済によってホワイトハウスの主の座を追われるかもしてない―オバマ次期大統領は、実に重い課題を担っているのである。

WASHINGTON - Barack Obama was elected the nation's first black president Tuesday night in a historic triumph that overcame racial barriers as old as America itself.

The 47-year-old Democratic senator from Illinois sealed his victory by defeating Republican Sen. John McCain in a string of wins in hardfought battleground states - Ohio, Florida, Virginia and Iowa.

A huge crowd thronged Grant Park in Chicago to cheer his improbable triumph and await his first public speech as president-elect

 8年間続くブッシュ共和党政権後の米国の招来を占う大統領選が4日投開票され、民主党のバラク・オバマ大統領候補が圧倒的多数で歴史的な勝利を決めた。47歳になる上院議員のオバマ氏の当選で、米史上初の黒人大統領の誕生となる。

 この11月4日に実施される米大統領選の登場人物が公式に決定された。事実上の人類史上最大・最強国家の指導者に名乗りを上げ、厳しい指名獲得競争を戦い抜いた民主党のオバマ上院議員、共和党のマケイン上院議委員の2人がそれである。オバマ議員は副大統領候補にベテラン同党政治家のバイデン上院議員(上院外交委員長)を選定。マケイン議員は、副大統領候補に女性のペイリン・アラスカ州知事を据えて起死回生の大ばくち。

 44歳になる美貌の女性州知事の起用は、目を見張るほどだ。共和党大会最終日の4日、マケイン議員の指名受諾演説をテレビの3大ネットなどで視聴した人は全米で3890万人に達し、民主党候補のオバマ上院議員の3840万人の受諾演説の視聴者数を上回った。党大会の演説としては過去最高の視聴者数。米視聴率調査会社ニールセンの調査結果。

 ニールセンによると、8月28日に行われたオバマ議員の指名受諾演説の視聴者数は、北京五輪開会式の視聴者数3420万人を上回り、4年前の民主党候補、ケリー上院議員の指名受諾演説の時の6割増。が、この9月3日に行われた共和党のペイリン知事の副大統領候補受諾演説の視聴者数は3720万人とオバマ氏に迫る勢いで、民主党副大統領候補のバイデン上院議員の2700万人に圧勝。

 中央政界では無名ながら、共和党初の女性副大統領候補となったペイリン知事に対する関心の高さはものすごく、インターネットでも最近の1週間でペイリン氏に関する検索が激増。米ネット調査会社ヒットワイズによると、ペイリン氏の検索数はオバマ氏の4倍、マケイン氏の8倍、バイデン氏の10倍に上っているという。恐るべき「ペイリン効果」と言う以外ない。

 肝心の指名受諾演説だが、オバマ議員は8月28日、同党全国大会の締めくくりとして指名受諾演説の中で、国民ひとりひとりが夢を追求しつつ、互いを尊重するという「米国の約束」をテーマに、「後戻りはできない。未来に向かって行進しよう」と、変革を訴えた。 オバマ氏は、会場のフットボール競技場を埋めた数万人の支持者らを前に演説。ブッシュ共和党政権の経済、安全保障政策を「失政」と批判し、「8年間でもう十分。今こそ、われわれが米国を変える時だ」と呼び掛け。

 他方、マケイン議員は、国家への奉仕を強調。「私たちの次期副大統領候補(ペイリン知事)を紹介できて大変光栄だ」と「ペイリン効果」への期待を吐露、「自分の利益を国に優先させるワシントンの連中に先に警告しておく。変化は来ている」と語り、国民に飽きられたブッシュ政治の抜本改革を訴え。

 その上でマケイン議員は、イラクへの米軍増派など自身の政治信条と国の利益を最優先させて、超党派で問題解決にあたった経験を強調、「それが、私が大統領として統治するやり方だ。私にはその実績があるが、オバマ氏にはない」と批判、「国家第一」の姿勢で大統領職を務めることを約束した。マケイン節は意気軒昂といったところ。

 オバマ、マケイン両氏とも全国を遊説し、3回のテレビ討論を経て11月4日の本選挙に臨む。

WASHINGTON - Sen. Joe Biden of Delaware is Barack Obama's pick as vice presidential running mate, The Associated Press has learned.

Biden, 65, is a veteran of more than three decades in the Senate, and one of his party's leading experts on foreign policy, an area in which polls indicate Obama needs help in his race against Republican rival John McCain.

 AP通信が23日報じたところによると、25日から米コロラド州デンバーで党大会を開く民主党の大統領候補に確定しているオバマ上院議員(47)はこのほど、同党のバイデン上院外交委員長(65)を副大統領候補に選定した。バイデン委員長は30年以上にわたり上院で活躍している同党ベテラン議員で、オバマ議員の18歳年長。

 バイデン委員長は、民主党の外交政策専門家として知られ、外交面で劣勢が指摘されているオバマ議員の対外政策面でのブレーンとなる見込みだ。

 「米国は間違った軌道にはまり込んでいる」―。米CNNが2008年7月28日から3日間にかけて行った世論調査によると、回答を寄せた米国民の76%がこのように考えているという。「正しい軌道上を走っている」と回答した者は24%にすぎなかった。この11月に迫った米大統領選の本選では、有権者は、「間違った軌道」を走っている米国を救い出す、少なくとも救い出すだろうと思われる候補を選ぶことになる。

 各種調査を総合すると、現段階では、民主党のオバマ上院議員が、共和党のマケイン上院議員に対し、圧倒的に有利に立っている。CNNによれば、戦後の米国史上、「間違った軌道を走っている」という回答が70%を超えた例は3回しかない。1974年のウォーターゲート事件の時、79年の在テヘラン米大使館占拠・人質事件の時、92年の経済危機の時がそれだ。

 ウォーターゲート事件では、共和党のニクソン大統領が前代未聞の辞任、後任のフォード大統領は、民主党のカーター氏に選挙で敗退した、米大使館占拠・人質事件の際は、カーター大統領が落選し、共和党のレーガン大統領が誕生した。92年の経済危機では、湾岸戦争に勝利しながらブッシュ(父親)大統領が処理を誤って落選、民主党のクリントン大統領誕生となった。

 要するに「間違った軌道上を走っている」という回答が70%を超えた時、米国民は、政権の交代を必ず望み、共和党から民主党へ、もしくは民主党から共和党へという選択を行っているわけだ。間違った道を走っているなら、それを正してくれる大統領候補を選ぶ、正してくれるだろうという期待を抱かせる候補に投票するという至極真っ当な論理がここには働いている。

 米国の連邦予算は、クリントン前大統領の時は好景気が続き、98年から4年間連続して黒字だった。ところが、息子のブッシュ大統領がホワイトハウスの主となってからはこれが逆転。大型赤字の連続で、連邦予算の累積赤字は史上最高の9兆5000億ドルにまで膨れ上がった。07年8月から始まったサブプライム・ローンの破綻拡大と原油価格の急騰が、最終的にブッシュ政治にとどめを刺した。ネオコン型政治は、銭の問題の処理をついに果たすことができなかったのである。

 イラク戦争の評価は定まっていない。「テロとの戦い」に関する立場が違えば評価が変わってくるからである。が、07年夏に1バレル当たり70ドル前後だった原油価格が、2倍以上の140ドル超となると、、一般の米国民が「イラク戦争は間違った軌道上で行われている戦争であり、これが今の原油価格高騰を招いて家計を直撃している」と考えるに至るのは当然である。しかも、ブッシュ政権は高騰を抑える有効な手段を持ち合わせていないときた。

 マケイン議員は、今後の選挙戦を、ブッシュ政権と距離を置いて、さらには否定する形で戦わなければ、少なくとも経済の局面では、同じ未知数とはいえ、オバマ議員に「期待感」という側面で勝ち目はない。ブッシュ大統領にはあと半年しか残されていない。このままでは無為無策のまま経済を失速させた大統領という歴史的評価を甘受せざるを得まい。フーバー大統領が経済大恐慌に翻弄されて政権を去った70年前のように。

 忙中閑あり、米大統領選。が、その中で、勢いに乗るオバマ上院議員。民主党大統領候補に確定しているこの黒人政治家の外交政策が、少しずつ体を成してきたようだ。同議員は15日、ワシントンで外交・国家安全保障の重要政策で演説。イラク戦争を「責任アル形」で可能な限り早急に終結させ、国際テロ組織アルカイダ、アフガン反政府武装勢力タリバンとの戦争を「絶対に勝たなければならない戦争」と規定した。「オバマ政権」が誕生したあかつきには、米国が先陣を取って進める「テロとの戦い」は、より純化された形で継続されることを公言したわけだ。

 オバマ議員は、「切りがないイラクへの固執は正しい戦略ではない」とブッシュ政権を批判し、戦略の転換が必要だと強調。自分がホワイトハウス入りした場合に追求すべき5つの目標として、1)責任ある形でのイラク戦争終2)アルカイダやタリバンとの戦いの完遂3)テロリストやならず者国家からの核兵器や核物質の防護4)エネルギー安全保障の確立5)21世紀型の同盟再構築-を挙げた。イラン核に関しては、イラク指導部と対話を行う考えは既に示しているが、これが「オバマ政権」の軟化路線ではないことを示した。

 イラク戦争の「責任ある形での終結」に可能性を与えたのは、ほかならぬブッシュ共和党政権である。この21日、中東・欧州歴訪の一環としてイラクの首都バグダッドを訪問したオバマ議員は、これまでの米軍増派反対というかたくなな姿勢を変え、米軍増派がイラクの治安回復に大きく寄与したことを認めた。泥沼の内戦状態下にあるイラクからともかくも足を洗うという従来の主張から、イラク国内の治安はイラクの国軍にゆだねるという具合に微妙にシフトしたのである。要するに、これまで全否定しきたブッシュ政権のイラク政策を評価したわけだ。

 オバマ議員は25日、パリのエリゼ宮(大統領官邸)でサルコジ仏大統領と会談。サルコジ側はオバマ議員を現職の米大統領並に厚遇した。会談後には共同記者会見の場まで設定した。サルコジ大統領は「オバマ氏が当選すればフランスは喜ぶだろう」と事実上のオバマ支持を表明。オバマ議員は、フランスが介入に強く反対したイラク戦争には触れずに、イラン核問題やアフガン増派などで米仏両国が連携を強化していくことを確認、「イランはサルコジ大統領と欧州連合(EU)が示す提案を受け入れるべきだ。(米国の)新大統領誕生を待つべきではない」とイラン側の迅速な対応を促した。

 オバマ議員のこのような微妙なシフトは、共和党の大統領候補に確定しているマケイン上院議員も再三にわたり指摘しているが、オバマ議員の勢いをそぐまでには至っていない。この24日に行われた訪問先のドイツ・ベルリンの「戦勝記念塔」前におけるオバマ議員の演説には、何と20万人のドイツ国民が集まった。このオバマ演説について、ドイツ公共放送ドイチェ・ウェレは「オバマ氏は異例にも、大統領選を米国の外へもち出し、世界にアピールできる指導者であることを人々に印象付けた」と好意的に評価。

 次期米大統領としてのイメージに関しては、オバマ議員がマケイン議員を圧倒している。

 米誌ニューズウィークが20日公表した大統領選に関する全国規模の世論調査によると、イラク戦争などブッシュ現政権の路線に嫌気した国民の支持を背景に、民主党候補に決まったオバマ上院議員が51%の支持を獲得、共和党候補に確定しているマケイン上院議委員の36%に対し、大差をつけて優勢となっていることが判明。

 この調査は調査は18、19の両日、1010人を対象に電話で行われた。オバマ議員がクリントン上院議員と激しい民主党候補指名争いを続けていた5月末に実施された同種の調査では、オバマ氏とマケイン氏の支持率はともに46%で拮抗していたことから、本選に向けた選挙戦の中でも、オバマ議員の勢いが増していることを浮き彫りにした形。

 オバマ議員のホワイトハウス入りを前提にした行動も目立つ。胴議員は16日、訪米中のゼバリ・イラク外相と電話会談し、11月の本選挙の前にイラクを訪問して現地状況を視察したいとの意向を伝えた。また、自らが当選した場合に、イラク駐留米軍を段階的に撤退させる方針を直接説明した。

 オバマ議員は、大統領就任後16カ月以内にイラクから米軍戦闘部隊を撤退させる方針を公約に掲げているが、電話会談では、ゼバリ外相に対し、「われわれはイラク駐留の恒久化に利益があるとは考えていない。これまでの成果が損なわれないよう拙速な行動は避けるが、戦闘部隊の駐留は終わらせるつもりだ」と明言。少なくとも、現在のような形の米軍駐留はなくなる可能性を示唆。

 さて、涙をのんだクリントン上院議員だが、国民の厭戦気分を背景に勢い付いているバラク議員をどう見るのか。「行く手を阻むガラスの天井を今回は破れなかった。しかし、支持してくれた1800万人分のヒビを入れることが出来た。次はもっと容易に通れると期待できる」「今回、私は目標直前で頓挫した。が、つまずいたとしても、信念を曲げるのはやめよう。周りの者が、お前には無理だ、出来ないなどと言っても、耳を傾けないようにしよう」と先の敗北宣言で断じた彼女。再挑戦の意志は明確だ。

 クリントン議員にとって、ホワイトハウス入りへのシナリオは、1)4年後の次回大統領選に挑戦2)8年後の大統領選に挑戦―の2つがある。前者の場合は、11月の本選でマケイン議員がオバマ議員を破って当選することが条件、クリントン議員が副大統領候補としてオバマ議員とタッグを組もうが組まなかろうが、民主党側が負けることが条件だ。

 後者の場合は、オバマ議員がマケイン議員を破って当選したときだ。当選すればオバマ「新大統領」は当然ながら4年後には再選を習うだろうし、クリントン議員としては、オバマ氏の任期が切れるまで8年間待たなければならない。現在クリントン議員は60歳だが、年齢的にも「8年後」が最後の挑戦となるだろう。

 で、クリントン支持者の間では、11月の本選でオバマ議員がマケイン候補に敗れることを期待する向きが多いという情報が流れる根拠となる。クリントン議員は敗北宣言の中で、オバマ支持で民主党が団結するよう訴えたが、これはあくまで表向き。「つまずきはしたが信念は曲げない」とした彼女。マケインが勝てば4年後、バラクが勝てば8年後の大統領選に出馬するとみた。

 米大統領選民主党候補を確定させたバラク・オバマ上院議員に対する中傷が高まっている。ヒラリー・クリントン上院議員との熾烈を極めた大統領選民主党候補指名争いに終止符を打ったオバマ氏だが、米大統領選は、立候補した本人はもとより、その伴侶や家族、出生、性癖までもが問われる全人格的な国家元首選びの側面を持つ。攻撃されたらやり返すど根性がなければ、とてもではないが人類史上最強国家の頂点に立つことはできない。

 そこでオバマ議員が立ち上げたのが「中傷と戦う」(Fight the Smears)という言われなき中傷に断固反論するサイト。

Fight the Smears

 初の黒人大統領を目指すオバマ氏はミドルネームが「フセイン」。父親はケニア人、インドネシアで育った特殊な経歴などから、指名争いの過程では保守派に「イスラム教徒」と攻撃されたり、米国民ではないとの中傷にされされてきた。特に米国生まれの生粋の米国人ではないといううわさに対しては、出生証明書の写真を掲載、ハワイが米国の州になった1959年8月21日以降の1961年にハワイで生まれたとし、米国憲法修正4条第1項に基づき、米大統領選に出馬していると強調している。

 中傷の矛先は、オバマ議員本人だけではなく夫人のミシェルさん(44)にも向けられ、今年5月30日には、ミシェルさんが教会での演説で、「白ンボ」(whitey)という言葉を使ったというまた聞きのうわさが、保守系ブログを通じて広まる事態となった。サイトでは、ミシェルさんが「白ンボ」という言葉を使っている場面を録音したテープもしくはビデオが存在するという噂に対しては、「そんなテープはない」と反撃。

 この「白ンボ」発言問題はその後、単なる噂の域を越え、保守系FOXニュースなどが上記にYouTube動画にみられるような格好の報道ネタにするようになった。これに対しても、「中傷と戦う」は反論を加えているが、その反論の具体的材料がないのも事実だ。出生にまつわるうわさは出生証明書を見せればぐうの音も出ない。が、そういう発言はしていないということを証明するのは至難の業だ。「そういうテープはない」ということは、反論の材料もまたないということだからである。

 サイトで列挙されたうわさは「オバマはイスラム教徒」「過激なマドラサ(イスラム神学校)に通っていた」など。これに対しては、サイトでは、オバマ議員はイスラム教徒として育てられたことはなく、全くの敬虔なキリスト教徒とし、マドラサに通っていたとの噂に対しては、少年時代をインドネシアで過ごした一時期、キリスト教徒の生徒として一部授業を受けただけととしている。ただ、胴議員は、ミドルネームが「フセイン」で父親がケニア人であることから、今後も繰り返しこの種の人格攻撃にさらされるのは確実。

 サイトでは、米上院でオバマ議員が、「忠誠の近い」(The Pledge of Allegiance) の音頭をとるYouTube動画が掲載されている。

 まあ、これが、オバマ議員が米国の有権者に一番訴えたい米国へ忠誠を誓った政治家としての自分であろう。そして忘れてならないのは、こういった噂和は、保守派だけでなく、オバマ議員と死闘を演じた同じ民主党のヒラリー・クリントン議員陣営からも世間に流されていたということである。

 熾烈を極めた米大統領選民主党候補指名争いが終結した。黒人初の米大統領を目指すバラク・オバマ上院議員(46)は6月3日夜、サウスダコタ、モンタナ両州で最後の予備選が終了したあと、ミネソタ州セントポールで演説し、民主党の大統領候補になったと勝利宣言。今後は共和党大統領候補のジョン・マケイン上院銀(71)との本選に向けた5カ月間の選挙戦に全力を傾注するとした。執拗にオバマ候補に食い下がったヒラリークリントン上院議員(60)は、副大統領候補になる含みを残している。

 オバマ議員と敗れたクリントン議員は5日夜、秘密裏に会談し、「11月の(本選での)勝利に向け、実りある話し合いをした」との共同声明を発表。さらに7日正午(日本時間8日午前1時)には、「撤退」を公式に表明するとともに、本選に向けてマケイン候補に対抗し、オバマ大統領誕生実現のための「党の結束」をアピールした。夫のクリントン前大統領と一緒に進めてきたクリントン氏の政治活動は、1つの節目を迎えたことになる。

 AP通信によると、クリントン氏は5日午後、カリフォルニア州選出で仲のよい女性上院議員、ダイアン・ファインスタイン氏に電話し、「オバマ氏と会いたいので自宅を使わせてほしい」と依頼した。ファインスタイン氏の連絡にオバマ氏は、「いつでもクリントン氏の希望する場所に行きます」と答えたという。会談はファインスタイン氏のワシントンの自宅で午後9時に始まり、2人だけで1時間ほど続いた。会談を終えた2人は「笑って(部屋から)出てきた」(ファインスタイン氏)とされる。

 オバマ氏は遊説先からイリノイ州シカゴの自宅に戻る途中、ワシントンの空港で姿をくらましていた。

 いずれにせよ、早くから党内基盤を固め、従来型の保守政治を踏襲するマケイン氏と、40代というケネディ大統領以来の若さを掲げたオバマ氏の一騎打ちとなるわけだが、両者の最大の違いは外交政策だろう。両氏とも米国の威信回復で一致するが、その手法は「圧力」と「対話」で両極だからである。

 海軍出身で「ベトナム戦争の英雄」のマケイン氏はテロ対策を重視し、敵対国には強硬姿勢であたる立場だ。ただ「軍事力だけでは世界を指導できない」とも考えており、「同盟国の意思を尊重する」と単独行動主義を排する。

 オバマ氏は「敵と話すことができるのが強い大統領だ」と敵対国との直接交渉を掲げる。キューバ危機後、ソ連と交渉したケネディ大統領がモデルだ。国際社会の協力を基軸とし「米国が変わったと世界に思われることが重要」と訴える。

 マケイン氏はオバマ外交を「認識が甘い」と指摘、軍歴がないことも批判している。オバマ氏は軍事オプションを誘発する恐れがあるとして、マケイン氏の強硬路線を批判。「ブッシュ政権を継承した政策」と応戦する。その違いは、対イラク政策でより顕著である。

 オバマ氏は大統領就任後、直ちに駐留米軍撤退に着手し、16カ月以内に段階的撤退を完了させる方針。イラクの治安確保のため、(1)国連を中心とした宗派間、民族間の和解支援(2)イラン、シリアを含めた中東諸国の安定化とテロ組織の孤立化に向けた外交強化―という道筋を描く。まあ、これはオバマ氏固有のというわけではなく、民主党内に多いハト派的な考え方だ。

 一方、「米軍のイラク駐留は100年続くかもしれない」と語ったマケイン氏は、5月15日の演説で「(次期大統領任期中の)13年までにイラクのテロを根絶し、大部分の米兵を帰国させたい」と述べた。一定のメドを提示することで「3期目のブッシュ政権」との批判をかわす狙いもあるが、イラクの安定に米軍の関与が必要との認識は変わらない。マケイン氏は「ならず者国家」との対話には厳しい批判を展開する。世界の不安定要因となったイラン、北朝鮮の核問題に対しては、同盟国との協調を緊密にして外交圧力を形成していくという手法である。

 では、対アジア政策ではどうか。マケイン、オバマ両氏とも日米同盟の重要性を共有している点で変わりはない。ただ、アジア外交で同盟国優先の立場を貫くマケイン氏に対し、オバマ氏は中国を抱き込んだ安保体制構築を掲げるなど、若干の温度差がある。が、これとて、従来からの共和党と民主党の対アジア感の違いと言えなくもない。  オバマ氏は2007年4月、当時の安倍晋三首相訪米前に上院で演説。日米同盟を「戦後の偉大な成功例」「日本がアジアの安定と安全確保を果たすための中核」と位置付け、自衛隊の役割拡大を「普通の国としての印」と歓迎した。

 一方、マケイン氏は「グローバルパワーとしての日本の台頭を歓迎する」と、オバマ氏より踏み込んだ表現で日米基軸を打ち出している。日本の指導力向上によって日米同盟も強固になる、というのが基本スタンスだ。マケイン陣営には、ブッシュ政権の対日政策の中心だったアーミテージ元国務副長官ら知日派が多い。マケイン氏は日本人拉致問題も重視する考えを示しており、ブッシュ政権の対日重視路線が継承される。

 マケイン氏のブレーンには、スコウクロフト元国家安全保障問題担当大統領補佐官やアーミテージ元国務副長官ら現実路線派と、ロバート・ケーガン氏らネオコン(新保守主義者)が共存している。

 陣営内の綱引きもあり、もともとロシアを非民主的として主要国首脳会議(G8)から排除するよう主張していたが、最近、核軍縮交渉を開始すると表明したのは現実派の意向と言われている。ユダヤ系で00年大統領選の民主党副大統領候補だったリーバーマン上院議員(無所属)は側近で、国務長官候補とも言われる。

 一方、オバマ氏の外交ブレーンはクリントン前政権のレーク元国家安全保障問題担当補佐官、ダンジグ元海軍長官ら。カーター政権時代のブレジンスキー元国家安全保障問題担当補佐官も後押ししている。ワシントンに新風を吹き込む」というのが外交政策の発想。だが、核兵器の不使用発言などには外交ブレーンが注意を喚起。敵対国との直接交渉方針も「入念な準備をしてから」と当初からは後退している。

ST. PAUL, Minn. - Sen. Barack Obama of Illinois sealed the Democratic presidential nomination Tuesday, a historic step toward his once-improbable goal of becoming the nation's first black president. A vanquished Hillary Rodham Clinton maneuvered for the vice presidential spot on his fall ticket.

Obama's victory set up a five-month campaign with Republican Sen. John McCain of Arizona, a race between a 46-year-old opponent of the Iraq War and a 71-year-old former Vietnam prisoner of war and staunch supporter of the current U.S. military mission.

 クリントン候補と6カ月にわたり米民主党大統領候補指名争いを演じたオバマ候補は3日夜、サウスダコタ、モンタナ両州で最後の予備選が終了したあと、ミネソタ州セントポールで演説し、民主党の大統領候補になったと勝利宣言。今後は共和党のマケイン候補との本選に向けた5カ月間の選挙戦に全力を傾注するとした。

 執拗にオバマ候補に食い下がったクリントン候補は、副大統領候補になる含みを残している。

 オバマ候補は46歳で、71歳のマケイン候補に比べると圧倒的に若い。

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