【米大統領選】クリントン上院議員、米初の女性大統領へ一歩

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 人類史上、最強・最大の帝国がアメリカ合衆国であることは間違いない。第1次大戦後、世界史に姿を現したこの帝国は今、経済力、政治力、軍事力、社会的な力、文化のいずれをとっても、世界の頂点に立つ。その国家元首が米大統領。4年に1度のこのポストを選ぶ行事は、まさに最大・最強の帝国に君臨する政治家を選出するにふさわしい、世界的なお祭りと化している。

 その大統領選の投票日が2008年11月4日と迫ってきた。現状のままで推移すると米国史上初の女性大統領誕生が現実味を増してきている。米CBSが7月9日から17日にかけて実施した世論調査にると、投票日に民主党候補に投票すると答えた有権者は47%、共和党に投票すると答えた有権者は32%。ブッシュ共和党政権のイラク政策をはじめとする対外政策の不評、移民問題など内政面への不満などが重なり、民主党支持が増加している証左だ。要するに民主党トップのヒラリー・クリントン上院議員と共和党トップのジュリアーニ前市長が対決した場合、クリントン議員が勝つという予測である。

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 クリントン上院議員自身も大統領の座が近いことをはっきりと自覚している。最近、クリントン議員がオバマ議員とやり合ったテロ戦争をめぐる論戦でも、この点は顕著だ。オバマ議員がディベートや遊説で、極めて大胆にテロ戦争に関連する3つの発言をした。①大統領に当選したら、ならず者国家の指導者と1年以内に会う②パキスタン領内の国際テロ組織アルカイダの潜伏先を攻撃する③この攻撃に核兵器は使わない―の3点がそれだ。この発言に対し、クリントン議員は「無責任」あるいは「未熟」と厳しい言葉で反論。

 1のならず者国家の指導者と会う件は、7月23日の候補者同士のディベートで司会者が質問として提起した。これに対し、オバマ議員は「1年以内に会う」と回答。しかし、クリントン議員は「宣伝に使われ、状況が悪化する」として会うことに反対。これについて、オルブライト元国務長官は「問題は、大統領が結果の保証なしに会うことがよいかどうかだ。クリントン議員はそれを理解している」と論評、クリントン議員に軍配を挙げた。オバマ議員は「クリントン議員はワシントン政治の古い慣行に染まった」と批判。ともかく、クリントン議員がワシントン政治の枠組みを踏み外さなくなったことは確か。

 もう1つの論争は、大統領として、パキスタン領内のアルカイダ潜伏先を攻撃するか、その際核兵器を使うかという問題。きっかけは、オバマ議員が8月1日の演説で「正確な情報があるなら、パキスタンのアルカイダ潜伏先を攻撃する」と発言。さらに同月9日には、記者団が「攻撃の際、核兵器を使うか」と質問したのに対し、「いかなる状況下でも、核兵器の使用は間違いだ。私は使用の検討もしない」と核兵器の使用を真っ向から否定した。反響は内外から起きた。パキスタンのカスリ外相は「われわれの迷惑も考えずに選挙戦の材料にするのは好ましくない」と不快感を表明。

 クリントン議員も「大統領は核兵器を使うとか、使わないとか断言するべきではない。冷戦以来、歴代大統領は核兵器の使用、不使用を明言しなかった。それが抑止力となり平和を維持した」とオバマ議員の発言を批判した。しかし、クリントン議員もオバマ議員とまったく同じ発言をしたことがある。ブッシュ政権が2006年4月、イランの核開発阻止のため核攻撃を含む軍事行動を取るとの情報が流れた時だ。クリントン議員はブルームバーグ・テレビのインタビューに答え「私はすべての選択肢を検討するべきだと思うが、核攻撃だけは除外するべきだ。それは大変な間違いだ」と主張した。

 クリントン議員がこの核不使用発言をしたのは、上院議員としての再選を狙っていた時。大統領当選の可能性が出た今、明確に軌道修正がなされたといえる。オバマ議員は「クリントン議員の言う経験とは、大統領候補が言うと期待されていることを言っているだけだ」と批判。確かに、クリントン議員には、夫のクリントン元大統領やオルブライト元国務長官など多数のアドバイザーが付き、同議員を大統領にふさわしい姿に変えていることは事実。「大統領候補が言うと期待されていること」を、今のクリントン議員なら、喜んで繰り返すだろう。

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このページは、J_Ishikawaが2007年8月26日 08:24に書いたブログ記事です。

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