【米大統領選】上昇気流に乗るオバマ、崖っぷちのクリントン―米大統領選民主党候補指名争いの明暗
米大統領選民主党候補指名争いをめぐるバラク・オバマ上院議員(46)とヒラリー・クリントン上院議員(60)の熾烈な争いが長期化する中で、ロサンゼルス・タイムズが2月26日公表した大統領選に関する最新世論調査は、大統領選が今行われた場合、共和党のマケイン上院議員が民主党候補を破って当選するとの結果が出た。民主党内の身内の争いに嫌気が差し始めた米国民の感情を物語っているようだ。
そのオバマ候補とクリントン候補だが、上昇気流に乗っているオバマ候補に対し、クリントン候補は崖っぷちに立たされているとの見方が徐々に支配的となってきた。最大の焦点は3月4日に行われるテキサス、オハイオ両州の予備選。2000年の大統領選で、当時のゴア副大統領(民主)の選対責任者だったドナ・ブラジル氏は「クリントン氏がオハイオ、テキサスで勝てば戦いは続く。1州でも落とせば終わりかもしれない。2州とも落とせば負けは確実だ」と指摘。
CNNテレビが2月25日発表した世論調査によると、3月4日に予備選が行われるテキサス州での民主党候補の支持率は、オバマ候補が50%なのに対し、クリントン候補は46%。これまではクリントン候補が圧倒的に優位だったが、こもにきて初めてオバマ候補が巻き返し首位に立った。直近の9連勝で勢いに乗るオバマ候補が着実に支持を広げていることが示された形。
他方、オハイオ州での民主党候補の支持率だが、米キニアビック大学が2月25日公表した世論調査では、クリントン候補51%、オバマ候補40%で、クリントン候補が10ポイント以上リードしている。ただ、オバマ候補は高学歴層の間で急速に支持を伸ばし、10日間でクリントン氏との差を10ポイント詰めたという。ただ、1州も落とすことができないクリントン候補としては、結果的に崖っぷちであることには変わりはない。
民主党は8月の全国党大会で、全代議員4049人の過半数2025人を獲得した候補を大統領候補に指名する。全代議員のうち予備選や党員集会で選ばれ、その結果に拘束される一般の代議員は3253人。残る796人は正副大統領経験者や上下両院議員、州知事、党幹部らから成る「スーパー代議員」と呼ばれ、独自の判断で支持候補を決める。大接戦で指名争いが混迷した場合、高度な政治判断から候補者を一本化する役割を持つ。
このスーパー代議員、要するに特別代議員の動向だが、特別代議員の1人で、公民権運動の長老格であるジョン・ルイス下院議員は2月27日、地元ジョージア州予備選でオバマ候補が勝利を収めたことを踏まえ、クリントン候補支持を取り下げ、オバマ候補支持を表明。ルイス氏は声明で「人々は新時代の到来を求めており、オバマ氏を変化のシンボルとみている」と指摘した。
同じく特別代議員であるテキサス州下院のベテラン女性議員もこの日、オバマ候補支持に乗り替えた。AP通信の先週末の調査によると、特別代議員の支持はクリントン氏が241対181とリードしているものの、2月上旬から中旬にかけてオバマ氏は25人から支持を受けるなど、差を縮めている。特別代議員も人の子だ。勝ち馬に乗りたい一心で、身も蓋もなくオバマに流れる可能性もないではない。
CNNテレビの集計では、これまでの獲得代議員数はオバマ候補1365、クリントン候補1268で、特別代議員を除けば、153の差がある。民主党は比例配分方式を採用しており、クリントン氏が逆転するには大差で勝利する必要がある。どちらにしても、クリントン候補の目の前には、「撤退」の文字がちらつき始めたことは否めない。
気骨の人である共和党のマケイン候補は、こういった民主党の泥仕合を尻目に、着実に党内固めを進め、イラク戦争に対する厭戦気分、ブッシュ大統領の下で8年間続いた共和党政権への米国民の「飽き」といった「負の部分」に対して、真っ向から立ち向かう姿勢を貫いている。冒頭指摘したロサンゼルス・タイムズの「今大統領選が実施されればマケイン」という世論調査が、本選でどう関わってくるのか興味深い。
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