【米大統領選】キング牧師暗殺40周年で三者三様の対応―クリントン、オバマ、マケイン
米国の黒人公民権運動指導者マーチン・ルーサー・キング牧師が1968年に暗殺されて4日でちょうど40年。米国史上初の黒人大統領か、それとも初の女性大統領かの決断を迫られる2008年の大統領選指名候補争いで熾烈な戦いを展開している民主党オバマ、クリントン両候補にとって、この日は、それぞれ特別な思いを込めての熱演の日となった。
キング牧師が凶弾に倒れたテネシー州メンフィスに足を運んだクリントン候補は、同師死を知った自分が大学生の時の衝撃を、「すべてが崩れ去り、もはやひとつに戻すことはできないと思った」と述懐。その上で、同師の業績ゆえに「219年の年月と、43人の白人大統領の末に、女性やアフリカ系米国人が大統領になっても当然と思えるようになった」と言明。当選した場合、同師が目指した貧困撲滅に専門で取り組む閣僚ポストを新設する方針も公言。
他方、初の黒人大統領を目指すオバマは現地入りせず、来月予備選を行うインディアナ州での遊説でキング牧師について言及。「私には夢がある」と述べたキング師の演説の有名な一節を引用した上で「多くの米国人には、(この夢は)まだ手の届かないところにある」と指摘、「任務を完了することがわれわれの務めだ」と社会保障や教育改革に取り組む姿勢を強調。
共和党のマケイン候補もこの日、メンフィス入りして演説、1983年にキング牧師の命日を全米で祝日とする法案に自分が反対したことを「間違いだった」と謝罪、「キング牧師の存在は(40年を経て)さらに大きくなった」と故人をたたえた。
三者三様の対応だが、土壇場に追い込まれているのはクリントン候補だろう。クリントン候補はこの1日、ペンシルベニア州フィラデルフィアでの演説で、同地を舞台にしたハリウッド映画「ロッキー」の中でチャンピオンに敗れた主人公のボクサーに自らを重ね合わせ、「負け戦」覚悟で最後まで勝負を続ける決意を強調した。
アカデミー賞を受賞した1976年の同作品では、主人公のロッキー・バルボアが黒人の世界チャンピオンに対戦を挑み、最終ラウンドまで激闘を演じながらも判定負けとなる。黒人のオバマ候補との戦いを続けるクリントン候補は「私とロッキーは共通するところがある」とした上で、「ロッキーが階段を半分上がって、もう十分なんて言うかしら。わたしは決してあきらめない」と語った。
>保守系の米紙ワシントン・タイムズは2007年12月18日、最も大統領にしたくない候補を尋ねた世論調査結果を報道。クリントン候補が堂々のトップに輝いた。回答者の約40%がクリントン候補を選んでおり、当時大統領候補指名争いに出馬していたジュリアーニ前ニューヨーク市長(共和)に2倍以上の差を付けて「圧勝」。
この世論調査は、同紙とラスムセン社が共同で実施したもので「クリントン議員は有権者にあまねく知られ、多くの人から愛され、嫌われている」と結論付けた。この世論調査によれば、共和党支持者の64%、第3党・独立系支持者の42%、民主党支持者の17%が、クリントン候補のホワイトハウス入りに「ノー」を唱えた。
今年に入ってからの世論調査も大同小異。 ギャラップ社が3月中旬に実施した最新の世論調査では、クリントン候補の好感度は53%と上がったものの、オバマ候補の62%、共和党マケイン候補の67%よりも劣った。同社でクリントン候補が好感度でオバマ、マケイン両候補に差を付けられている理由として、「8年間のファーストレディー時代も含め、長い間世間の関心にさらされてきたことが要因として挙げられる」と指摘している。
ヒラリー氏はクリントン前政権時代、大統領執務室のあるウエストウイングにも執務室を構え、医療保険改革に取り組むなど積極的に政策に関与したが、強い批判にもさらされた。なかでもアーカンソー州時代に土地開発・不正融資に関与したとのホワイトウォーター疑惑では共和党から厳しい追及にあった。
こうしたことから、大統領に当選したとしても、国を団結させるよりも分裂させるとみている人が多いようだ。ヒラリー氏が「より国を団結させる」と答えた人は40%だったのに対し、オバマ氏は66%、マケイン氏は59%だった。
あの美貌で非の打ち所のない経歴、卓越した才覚。国をまとめ上げるよりも分裂させるのではないかという危惧を抱くのは、民主党幹部内でも多い。
米大統領選

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