ニクソン・キッシンジャー方式を狙う?―オバマ次期米大統領、国務長官にクリントン起用
オバマ次期米政権の骨格が12月1日公表され、クリントン国務長官、留任するゲーツ国防長官が外交・安保チームの要となることが全世界に示された。大統領選民主党候補指名争いで血みどろの闘いを演じたオバマ、クリントンで、米外交の舵取りがうまくいくのか。直近では、父親ブッシュ大統領とベーカー国務長官が「うまくいった」例。反対に「うまく動かなかった」例は、息子のブッシュ大統領とパウエル国務長官の例が挙げられよう。
パウエル氏は統合参謀本部議長として父親ブッシュ大統領を支え、ベーカー国務長官とともに1991年の湾岸戦争を成功裏に終結させたが、チェイニーやラムズフェルドらのネオコン系側近を重用した息子のブッシュ現大統領とはそりが合わず、失意のうちに国務省を去らざるを得なくなった。パウエル氏は今大統領選で、共和党でありながらうらみを晴らすかのようにマケイン共和党大統領候補ではなくオバマ氏を支持、民主党のホワイトハウス奪取を助けたのである。
「うまく動かなかった」例で一番顕著だったのは、第2次世界大戦後ではベトナム戦争下のニクソン大統領とロジャーズ国務長官。ロジャーズ氏は1969年から1973年まで国務長官を務めたが、ニクソン大統領はキッシンジャー国家安全保障問題担当補佐官を重用、名高い「キッシンジャー秘密外交」を駆使してロジャーズ氏を完全に「蚊帳の外」に置いてしまった。ちなみに、このロジャーズ氏とパウエル氏が、外遊の最も少なかった米国務長官の両雄である。
大統領選民主党候補指名争いでは、オバマ、クリントン両氏とも互いの外交政策を批判した。イラク戦争に反対してきたオバマ氏は、2002年のイラク開戦決議に賛成したヒラリー氏の判断に疑問を投げかけ、対するヒラリー氏は「午前3時、電話に誰が出てほしいか」という選挙広告を流すなど、オバマ氏では有事対応に不安があると印象付けようとした。ヒラリー氏は、オバマ氏がイランや北朝鮮の指導者と前提条件なしに会談する用意があると述べた点をとらえ「無責任で無知だ」と罵倒。
イラク、アフガンでの「テロとの戦い」が続く戦時下での政権交代。折しもインドのムンバイでは国際テロ組織アルカイダ系によるものとみられる同時多発テロが発生している。大統領と国務長官が争えば、去らざるを得ないのは国務長官である。こういったことを勘案すると、クリントン氏を米外交の顔として祭り上げる一方で、子飼いの側近を補佐官に据えて実質外交に当たらせるニクソン―キッシンジャー方式を取るのか?
オバマ政権

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