忘れられたアフガンで今夏に大統領選―パキスタンとの国境地帯では再び戦闘激化

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 米国の「テロとの戦い」の最前線でありながらこのところメディアへの露出が減ってしまったアフガン。このアフガンで8月20日、自由選挙による2回目の大統領選が実施される。6日に米国を訪問したアフガンのカルザイ大統領は既に4日に、大統領選の候補者名簿に登録。

 8日に締め切られた立候補届け出によると、これまでに、再選を目指す現職のカルザイ大統領をはじめ、女性2人を含む44人が届け出を行った。選挙管理委員会の審査を経て、6月12日に正式な候補者名簿が発表される。現時点では、カルザイ大統領に対する有力な対抗馬は見当たらず、同大統領の再選は確実。

 で、イラクからの「名誉ある撤退」を模索する一方で、米軍兵力のアフガンシフトを公言しているオバマ米大統領。オバマ大統領は6日、ホワイトハウスで、米国入りしたカルザイ大統領およびカルダリ・パキスタン大統領と個別会談。さらには米・アフガン・パキスタンの3カ国大統領会談も行い、「テロとの戦い」完遂への意気込みを内外に誇示。

 オバマ大統領は3カ国大統領会談の後、「国際テロ組織アルカイダとその協力者を分裂させ、解体し、打倒するという共通の目標を持って3カ国は集まった」と強調。その上で「共通の敵」を打ち破るため、情報共有など3カ国の連携強化の必要性を訴えた。また、アフガン政府が「共通の敵」と戦うのを支援する際、「市民の犠牲を防ぐ努力をする」とも述べた。度重なる米軍誤爆報道に対する苦しい弁明だ。

 いずれにせよ、今夏のアフガン大統領選に向けて、アフガンに兵員を送っている米国、北大西洋条約機構(NATO)の派兵国は大変だ。仏ストラスブールで開かれていたNATO首脳会議は4月4日、軍事、民生支援の両方を支援するオバマ大統領の包括戦略を承認。これを受け、増派をしぶっていた欧州各国は、一転、今夏のアフガン大統領選に向け、約3000人の要員派遣を決めた。しかし、あくまで選挙までの短期的な派遣で、恒常的兵員不足に悩まされているNATOのアフガン展開の前途は不透明。

 報道などによると、英国は選挙監視までの治安維持のための兵員として900人を派遣。またドイツ、スペインが各600人、イタリアも約250人を派遣する。このほか各国は計約1400~2000人のアフガン軍隊・警察の訓練要員も派遣する。

 他方、アフガンと国境を接するパキスタンでは、国境地帯周辺のアフガン反政府武装勢力タリバンなどの掃討作戦を強化。パキスタン軍は8日、北西辺境州のスワト地区でタリバンなどイスラム武装勢力の一掃に向けた大規模な軍事作戦を行い、過去24時間に武装勢力側143人を殺害したと発表した。同地区ではこの2月に州政府と武装勢力との間で和平協定が結ばれたが、ギラニ・パキスタン首相は7日の国民向け演説で、武装勢力側が協定違反を繰り返したとして、協定を事実上破棄、攻撃を開始したことを明らかにしていた。

 パキスタンや米政府内では、協定締結後にむしろ武装勢力が北西部で支配圏を拡大し、首都イスラマバードに迫る勢いを見せていることに危機感が強まっていた。軍事作戦はこうした状況を背景にしており、アフガン大統領選を前に戦闘の激化が予想される。

 

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このページは、J_Ishikawaが2009年5月14日 17:18に書いたブログ記事です。

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