リベラル派との蜜月、終わりに近づいた?―オバマ米大統領

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 グアンタナモ米軍基地。1898年の米西戦争で米軍がスペインから奪取した現キューバ東南部グアンタナモ湾にある米海軍の基地だ。面積116平方キロ。米国の援助でスペインから独立したキューバは1903年、グアンタナモ基地の永久租借を米国に認可。主権はキューバにあるが、米国が永久的に利用(革命キューバはこれを非合法としている)。キューバ国内でも米国内でもなく軍事法廷のみが許される特殊区域だ。

 2001年のアフガン報復空爆以降、タリバンや国際テロ組織アルカイダのテロリスト容疑者が収監されたことで世界的に一躍有名となり、米国の進める「テロとの戦い」の暗い部分を象徴する施設となっている。収監されている連中が一体「捕虜」なのか、それとも「犯罪者」なのか不明なためで、米国のブッシュ前政権、オバマ現政権とも時と場合によって両者を使い分けているのが実情。

 が、ともかくもオバマ大統領が、大統領選時代から、グアンタナモ基地や米軍の管理下に当時あったイラクのアブグレイブ刑務所で、米当局がイラク人テロ容疑者を裸にしたり、首に革ひもを巻きつけたりしたいわゆる「虐待写真」なるものが流出したことから、これを「容認できない」として徹底調査を公約に掲げてきたことは周知の事実。ところが人間社会では、厳しい現実を前に建前と本音の乖離が顕在化するのが実際のところで、オバマ大統領とて例外ではない。

 オバマ大統領はまず13日、ブッシュ前政権時代にグアンタナモ基地をはじめとするイラクやアフガンのテロ容疑者収容施設で行われた米兵による収容者虐待を調査した写真の公表を取りやめを決定。同大統領は記者団に対し、決定理由について「反米感情を刺激し、米兵士を危険にさらすことになる」と説明した。

 さらにオバマ大統領は15日になって、120日間の審理停止を命じていたグアンタナモ基地の特別軍事法廷でのテロ拘束者の審理を再開すると発表した。オバマ大統領は声明で、特別軍事法廷を「米国を守るためには最善の方法だ」と支持。再開に当たり、①非人道的尋問で得られた証拠の不採用②伝聞証拠の制限③証言拒否の保護―などの改善策を導入する考えを示した。

 案の定、人権団体からは「オバマ大統領は公約違反」の大合唱だ。加えて15日、中央情報局(CIA)とペロシ下院議長(民主党)との間で、「拷問」を象徴するいわゆる「水責め」に関し、その現況を「(ペロシ議長に)報告した」、いや「報告を受けていない」と互いに相手をけなし合う内紛が発覚。ペロシ議長は、拷問問題でブッシュ前政権批判の急先鋒だっただけに、初めから拷問の実態を知りながら黙認し、放置していたのではないかというわけだ。

 軍を掌握するオバマ大統領が、「テロとの戦い」という現実を前に、国益最優先の「右旋回」を繰り返すことは今後とも続くだろう。ブッシュ批判をしているだけでよかった時代は既に戻ってこない。うまく舵取りをしないと、民主党内部のリベラル派、人権団体などの左派陣営は、雪崩を打って反オバマに傾いていく可能性がある。かといって左派におもねれば、保守派が黙ってはいない。さてどうするか。

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このページは、J_Ishikawaが2009年5月18日 22:39に書いたブログ記事です。

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