不機嫌な老人チェイニー、反オバマの論客として脚光

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 オバマ政権誕生で、ブッシュ前大統領を支えた米国の政権内にいた共和党系保守派は、極左から極右に転向したネオコン(新保守派)を含め、いずれも野に下った。その中で、反オバマの論客として気をはいているのが父親ブッシュ、息子ブッシュと2代にわたってこれを支えたリチャード・ブルース・チェイニー氏だ。1941年1月生まれの68歳。国防長官として湾岸危機・戦争を克服し、副大統領としてイラク戦争に臨む。ごりごりの保守派だ。

 そのチェイニー前副大統領、副大統領時代は一貫して黒子に徹し、決して表に出ることはなかったが、野に下って以降は、メディアに積極的に登場、反オバマの論陣を張り始めた。10日には米CBSテレビの番組に登場し、過酷な尋問方法を使ったとしても、それによって国際テロ組織アルカイダのテロ容疑者から引き出した情報は、「おそらく数十万人の米国民の命う上で役立った」と豪語。水責めに象徴される「拷問系尋問法」を正当化した。

 チェイニー前副大統領は、「後悔はしていない。まったく正しいことだったと思っている。容疑者の抵抗を打ち破るために必要不可欠のものだった」と強調。その上で、同前副大統領は、「アルカイダが米国の都市に核攻撃を計画していた」との主張を繰り返すとともに、「数千人、数十万人の米国民の命を救ったと全面的に確信している」と断言。同前副大統領はこの後、21日もワシントンでの講演で、同趣旨の反オバマの論を張った。

 このチェイニー・ワシントン講演の直前、オバマ大統領は目と鼻の先のワシントンにある国立公文書館で演説し、グアンタナモ米海軍基地(キューバ)のテロ容疑者収容所閉鎖を公約通り実行することを強調、閉鎖を巡っては、共和党だけでなく民主党内にもも収容者が米本土に移送されることへの懸念を強めている現況に触れた上で、同大統領は、収容所が「自由と正義」に基づく米国の憲法と法の支配を著しく傷つけたと指摘した。

 グアンタナモ米軍基地に関しては、前回のニュースで詳しく触れたので再掲はしない。グアンタナモの収容所に収容されているテロ容疑者は現在240人。オバマ大統領は演説で、容疑内容によって1)連邦裁判所での審理2)軍事法廷での裁判3)裁判所の決定による釈放4)本国や第三国への送還―などのケースがあると指摘。いずれの場合でも「容疑者を厳重に警備された施設に移し、米国の国家安全保障にとって危険な人物は決して釈放しない」とチェイニー系の反論に「再反論」。

 静かな隠退生活を送っているブッシュ前大統領に対し、昔も今も最も嫌われている政治スタイルを持っているのが、チェイニー前副大統領だ。が、ブッシュ前政権で次席補佐官を務めたカール・ローブ氏を懐刀の1人として抱える同前副大統領の反オバマ論に関し、民主党系の論者が反感を抱くのは当然だが、共和党内でも思いは複雑だ。。「チェイニーが共和党の顔として動くことは、災い以外の何物でもない。彼はただの銃を持った不機嫌な老人だ」という声すらある。

 米CNNの21日の世論調査では、チェイニー前副大統領に「賛同する」人は37%に過ぎないが、今年1月から8はポイント上昇している。いずれにせよ、チェイニー副大統領が例え「不機嫌な老人」だったとしても、この「不機嫌」がどこからきているのか、単なる痴呆の前触れか、それとも彼を「不機嫌」と断定する周囲の方がおかしいのか、精査すべきだろう。

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このページは、J_Ishikawaが2009年5月24日 20:05に書いたブログ記事です。

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